グローブのお手入れについて2025.01.11

久々のブログ更新になってしまいましたが、今回はお客様からよく質問を受ける「グローブのお手入れについて」です。

皮革製品のお手入れは難しいと思われている方も多いようですが、

・汚れをしっかり落とすこと
・乾燥させないこと
・油分を補うこと

これらを守っていただければ、そう大変なことではありません。

ただし、バイク用のグローブ、とりわけレーシンググローブに関しては使用状況が特殊ですので、
一般的な皮革製品（バッグや靴、革ジャンなど）のお手入れとは少し異なります。

そこで、私たちが実践し、お客様にもおすすめしている方法をご案内します！

〈基本のメンテナンス方法〉

濡らしてしまったときは冷風で乾かす
グローブを濡れたままにしておくと、悪臭やカビが発生する原因になります。

雨に降られたり汗をかいたりなどで濡らしてしまった場合は、
扇風機やサーキュレーターなどで冷風を当てて早めに乾かしましょう。

急いで乾かしたい！という場合でも、温風ヒーターやドライヤーを使用したり直射日光に当てたりして
急激に乾燥させることは避けるのが無難。
水分と一緒に油分が抜けてしまい、硬化やひび割れが起きやすくなってしまいます。

汗を多量にかいた時は水洗い
汗に含まれる塩分が蓄積すると、革が硬くなってしまうことが多いです。
水かぬるま湯ですすぐようにして優しく洗い、厚手のタオルなどで水分を吸い取ってから冷風を当てて乾かします。
　　　　
※揉み洗いをしたり、強く絞ったりすると革の繊維にダメージを与えてしまうので避けてください。
※洗剤は汚れが落ちるだけでなく革の油分が損なわれてしまうため、水のみで洗うことをおすすめします。
※８〜９割乾いたところで手のひらの表面と内側にハンドクリームを塗ると、乾燥後のゴワつきを防ぐことができます。

お手入れにはハンドクリームがおすすめ
皮革製品のお手入れにはミンクオイルを使用する場合が多いのですが、グローブにはハンドクリームがおすすめです。

ブーツや革ジャンなどは艶出しや撥水のためにミンクオイルの使用が適してますが、
グローブの表面にミンクオイルを使用すると、ハンドル周りやガソリンタンク、ヘルメットなどを汚してしまったり、
降雨時にグリップが滑ってしまったりすることがあります。

手のひらにハンドクリームを多めに取って伸ばし、そのままグローブを着けてしばらく時間をおきます。
塗料で着色されているグローブ表面は油分が浸透しにくいため、内側に塗るのがポイント！
その後、表面にもクリームを付け、グローブどうしを擦り合わせてよく馴染ませます。

　　　　

表面にベタベタした感じが残る場合はティッシュペーパーなどで拭き取ってください。
洗濯後、完全に乾く前の少し湿り気が残った状態で行うと、より馴染みやすいですよ！

※手の甲側に裏地が付いているモデルは、裏地にクリームが付着しないようにしてください。

〈長持ちさせるコツ〉

グローブのコンディション良く保つためには、汚れをきちんと落とし、保湿をすることが大切です。
そして、汚れた時や濡れた時に適切なお手入れをすることはもちろん大切ですが、
保管場所にも注意が必要です。

「置き場所がない」「うっかり忘れてしまって…」という理由でトランポに道具を積みっぱなしの方も多いようですが、
車の中は風通しが悪く、日中と夜間の温度差が大きいため皮革製品にとって厳しい環境です。
グローブだけでなくレーシングスーツやヘルメットも車から下ろして風通しの良いところで保管しましょう。

ハンドクリームでのお手入れは、新品のグローブを馴染ませる際にもおすすめです。
洗濯後だけでなく「ちょっと硬くなってきたかな？」「乾燥気味かも…」という時にも行ってみてください。
ゴワゴワになってしまったりヒビ割れが起きてしまったりしてから良い状態に戻すのは難しく、
硬化や劣化を防ぐためには日常的なお手入れが大切です。

〈グローブの買い替え時期について〉

グローブを良い状態で長く使うためのお手入れ方法についてお話ししましたが、
どんなに丁寧に扱っていてもいずれ限界は訪れるものです。
見た目が綺麗ならいつまでも使えるファッションアイテムとは異なり、
安全のために身に着けるグローブに関しては、強度に不安がある状態で使い続けることは危険といえます。

以下のような場合は、修理または買い替えを検討する必要があります。

・縫い目がほつれている（手肌が露出している）
・革が擦れて薄くなっている（穴が開きそう）
・革の硬化が進んでいる（お手入れしても柔らかくならない）

縫い目のほつれや穴開きなどは修理して使用することもできますが、
手のひらや指の屈曲部などは、補修により操作性が損なわれる可能性があるので要注意です。
また、技術的に修理ができない箇所もありますし、修理代が高額になることもあります。
技術面も費用面もケースバイケースですので、
グローブメーカーのスタッフや修理をお願いするお店と相談した上で検討してください。

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